今回の募集テーマ
ステキな発想が「ぎゅっ。」と
詰まった文房具のアイデアを
募集します。
第29回「文房具アイデアコンテスト」に多数のご応募いただき、誠にありがとうございました!
審査員長
プロダクトデザイナー
安次富 隆
審査員
マルチクリエイティブ会社
ザリガニワークス
審査員
HIPHOPアーティスト
KREVA
審査員
アーティスト
itabamoe
一般社団法人
全日本文具事務用品団体総連合 会長
宮城 邦弘 様
「第29回文房具アイデアコンテスト」受賞者の皆様、おめでとうございます。
私たちの生活はデジタル化が進んで便利になっていく中、アナログな文房具は日々の生活をさらに豊かにするために新しいアイデアが必要になります。
今回のテーマは、そんな日常生活に溢れているさまざまな「ぎゅっ」なアイデアから、日々の生活を豊かにする革新的な発想が、今後さらに多くの人々に喜ばれることを心より願っています。受賞した皆様へ改めてお祝い申し上げます。
日本文紙事務器卸業連盟 会長
蔀 聡志 様
この度は、「第29回文房具アイデアコンテスト」での受賞、誠におめでとうございます。
日常に溢れた「ぎゅっ」な発想から、創造力と独自の視点で新しい可能性を切り開いた皆様のアイデアに、とても感動しております。皆様方の斬新な発想が、日常における文房具の新たな役割を担うために、新しいアイデアから今後の文具業界に新しい影響を与えることを期待しています。これからの更なるご活躍をお祈り申し上げます。おめでとうございます。
米田 隆浩
英作文用に、マス目をぎゅっと縮めて半角サイズにした原稿用紙。
大文字は2マス、小文字は1マスがガイドラインになります。
サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。
審査員コメント
安次富 隆 様
原稿用紙のマス目を半角サイズにすると、英文にも使えるというアイデアは、なぜ今まで誰も思いつかなかったのか?という驚きがあります。原稿用紙は日本語の文字数を計算しやすくするためのフォーマットです。それに対して英文は文字数ではなく、単語数を計算しますが「半角の原稿用紙」を使えば、日本語と英語が混ざった文章でも文字数を計算できます。「半角の原稿用紙」は、日本語と英語がぎゅっと合わさった今までにない文章表現を生み出すかもしれません。
細川 卓資
日記帳ではなく百記帳です。
百年に見立てた百ページのノートです。
年齢(age)を枚数(page)で表し、
人生における四季折々の記憶を書き記します。
開いたときの厚みは時の有限性を感じることができます。
人生100年時代に向けて、
平均寿命が世界一長い日本だからこそできる提案を目指しました。
サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。
審査員コメント
itabamoe 様
100年時代と言われる人生の時間の流れを目で体感できるのがとても興味深いと思いました。
通常の毎日記していく日記と違い、四季の移り変わりに合わせて記入していくというスタイルが日本ならでは、という感じでとても素敵だと思いました。
文字の書けない幼いころは親が記入して、自分で書ける年齢になったら親から子に受け継いだりしたら素敵だねと、審査員の中でもストーリーが広がりとてもワクワクさせて頂きました。
小倉 利文
クラウド上のグループウェアを利用してPCで議事録を作って共有したりオンラインスケジュール
帳を使うようになると、文房具を使うシチュエーションが激減しました。
大きな手帳を持ち歩かなくなった代わり、外出時や会議室の移動にノートPCやその電源などの
大荷物が増えました。
一方で、紙とペンを全く使わなくなったかというとそうでもありません。わずかな機会のために
ぎゅっと厳選された筆記用具をサッと取り出して使いたいのです。
提案するのはITツールメインで働くビジネスパーソンのためのペンケースです。ペン類とプラス
1アイテム(小さな消しゴムや修正テープなど)をそれぞれの収納場所にいれて持ち歩くことが
できます。
大きなペンケースの中で毎回違う位置にいる消しゴムを追いかける必要もありません。収納場
所の決まった2アイテムなら入れ忘れしまい忘れも一目でわかり、会議室で消しゴムを忘れたこ
とに気づく、なんてこともありません。
ITツールメインで働くならモノを少なくミニマルなスタイルで働きたいのです。必要最低限を
ぎゅっと凝縮したペンケースです。
サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。
審査員コメント
KREVA 様
ぎゅっとコンパクトにまとまったペンケース。自分もペンを1本だけ持ち歩きたいことがよくあります。USBメモリと変換ケーブルを入れている画も浮かんできて「欲しいっ!」となりました。
岩田 一弥
「ぎゅっ。」という言葉は一つにまとまるイメージがあります。まとまりかたもいろいろあって、きちっと全て揃っているのもきれいだけど、一定にずれて並んでいるのも良い感じ。2穴パンチは書類をきれいに一つにまとめますが、少しずれることで結構便利に使えます。ずれを利用して様々な機能を持たせることができます。
サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。
審査員コメント
ザリガニワークス・武笠 様
めくりにくい書類に対しては指サックなどのツールがありましたが、“紙の並び方をズラす”という、まさに視点をズラした発想が素晴らしいと思いました。インデックスを印刷だけで作れたり、日ごとにパンチすれば一日の区切りがわかりやすくなったりなど、使い方次第でスマートな整頓ができるのも道具としての魅力を感じます。
中村 梨亜 / 神谷 千春
緊張して手が震えたり、冷たくなってしまった経験はありませんか。そんなときには手をぎゅっと にぎって擦って、温めてあげましょう。スタンプは消えてしまいますが、リラックスできる香りが残 ります。このスタンプは、頑張ったあなたを最後まで応援します。大切な誰かに応援の気持ちを 込めて押してあげるのもいいかもしれません。
サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。
審査員コメント
ザリガニワークス・坂本 様
スタンプを押してあげる、持たせてあげるといった使い方にとても共感しました。自分を気にかけてくれる特別な人に押してもらった掌のスタンプには本当に特別な力が宿りそう! 握る事や香りのリラックス効果だけでなく、人の思いの力が様々な場面できっと強い勇気をくれる。“ぎゅっ。”に相応しく、非常に情緒豊かな作品だと思います。
自分で使ったって素敵。一緒にお祈りしてくれる可愛いその姿が、きっと安心をくれますよね。
浅沼 幸来
納豆の粒が色々な形に変化し、すべり止めになります。細い物を握るときや、ビンのふたをあけるときなどに便利です。
サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。
審査員コメント
安次富 隆 様
納豆をぎゅっと握ったら役に立ちそうと思いついたことに驚かされました。ネバネバした納豆を握ってみたいと思ったことなどないからです。納豆が手についたら不快ですし。そういう納豆のネガティブなイメージからヒントを得て、ポジティブな道具に変えた素晴らしいアイデアです!浅沼さんのアタマの柔らかさも、納豆のようだと思いました。どんな形にもフィットし、どんな手にも馴染む「ネバネバなっとうグリップ」は、人にもモノにも優しい文具になるでしょう。
宮坂 一十野
このけしごむでえんぴつをけすと、えんぴつのぶぶんだけがきえて、キラキラが紙にのこります。
サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。
審査員コメント
itabamoe 様
まず絵がとにかく上手でかわいくて目が離せなくなりました。
失敗をキラキラに変えてしまう、というシンプルながらも魔法のようなアイデアに文房具の可能性を感じました。
消しゴムを持つときのぎゅっと握る感覚から発想されたということで、一十野ちゃんが普段一生懸命絵を描いて消している日常も感じられて、なんだか優しい気持ちになれました。
中村 衣那
コンテストのテーマが「ぎゅっ。」だったので、ギューするホッチキスにしました。普通にしてると離れているけど、紙をとめる時に、くっついてギューしているように見えます。そして、ホッチキスの芯がハートになっていてとめるとハート型にとまります。
サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。
審査員コメント
KREVA 様
皆さんと楽しみつつ真剣に審査をさせていただく中で、アイデア自体はもちろん、そのネーミングセンスに注目する時間がありました。この脱力感がイラストの可愛さと相まってとても心に残りました。
茶家 慎之助
KIRISUMIは、アイスランド語で「思いやり」という意味をもつtillitssemiから名前を取っています。アイスランドは、世界で最も思いやりが強いといわれている国です。今回のお題は「ぎゅっ。」ということなので私が考えた「ぎゅっ。」は、人々の強い思いやりからぎゅっと考えました。なので、世界で最も思いやりが強いアイスランドを題材としてデザインしました。そしてもうひとつ、「リサイクル」にも私の考えた「ぎゅっ。」がつまっています。近年、地球温暖化が進み再生可能な社会を作るのが世界共通の課題となっています。そこで考えたのが「人と自然の共存」で「ぎゅっ。」でした。私は、すべての文房具がリサイクルして作られるのを望んでいます。模様はすべてアイスランドで見れる物です。好みに付け替えて勉強や仕事をはかどらせましょう。
サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。
審査員コメント
ザリガニワークス・武笠 様
環境問題に対する姿勢、丁寧なデザイン、作画、ロゴ、説明文の手書き文字に至るまで、まっすぐ丁寧に向き合っていて、とても好感の持てるアイデアとデザインだと思いました。ひとしきり感心した後、ジュニア部門だったことを思い出し、さらに驚きました。見習いたいと思います。
荻田 来未
替え芯の種類が太さごとに違うラインが引いてあってどの替え芯を買ったらいいかすぐわかる!!
サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。
審査員コメント
ザリガニワークス・坂本 様
僕はグラフィックデザインを学び、今は企画も仕事にしています。どちらも「一瞬で共感できる」という事が非常に厳しく要求される世界で、僕自身それをとても大切に意識しています。そんな僕からみても、これはかなり鮮やかなアイデアでした!
説明、説得、言葉による理解よりも遥かに早く、「同じだ」と一瞬で感じられる。少ない手数で一瞬にして人の理解を促し、問題を解決してしまう。優秀なデザインですよこれは!
長倉 孝
仕事中!勉強中!? 推したい気持ちを抑えられないアナタに贈る
溢れんばかりの推し心をギュっと詰め込んだ究極のペンケース(セット)推しのアクスタや缶バッジなどをこれでもかと大量に並べて楽しむ
応援してるのか。応援されてるのか。推しつ。推されつ。のペンケースセット
定規にもアクスタ立てられるし、ペンには缶バッジやアクキーも付けられて一推し。二推し。のペンケースセット
壮大な推しの風景を眺めれば、痛さを通り越して、まさに絶景!!!これぞ推景かな!!!!!
サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。
サンスター文具
時代は推し活ブーム真っ只中。まさにそんな時代が待ち望んだペンケース(セット)がこちらだと思います!
勉強という孤独な戦いの中で、もし自分の推しキャラたちが見守ってくれたら、応援してくれたら、どれだけ心強くモチベーションが上がるだろうか。
作者のコメントに「応援してるのか。応援されてるのか。」とあるように、まさに文具とユーザーの間に「持ちつ持たれつ」の関係性が成り立つ素敵なアイデアだと思いました。
推したちが「ぎゅっ」と集まった世界観はまさに爽快!絶景!であること間違いなし!
安次富 隆賞
片桐 ひろ乃
スタンプ使い分けるの個人的にとてもめんどくさかったので、1つにまとめてみました。今回テーマがとてもではないですが難しく、私なりに、力加減と押し方というところに落とし込んでみました。一から自分で考えるのとても楽しかったです!
サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。
審査員コメント
安次富 隆 様
感情は、嬉しさや悲しさの種類も度合いも色々です。ですから、言葉や絵で表現するのは難しく、数種類のスタンプで表現できるほど単純でもありません。「すたんぷ・ぎゅっちー」は、そういう複雑な感情を表現できるアイデアです。押し方や加減で表情が変わるスタンプを実現するための形や素材まで丁寧に描かれているイラストにも魅力的です。そのイラストを元に作られたモックアップは、片桐さんが想定していた通り様々な表情を作ることができ感激しました。
ザリガニワークス賞
Kitai Rumi / 内田 未来
チームのひとり“みくま”は夏の怖いテレビ番組やホラー映画が大好き。そんな“みくま”の同僚
“れいたん”は考えました。仕事をスマートにしてくれるだけではなく、たくさんのタスクメモに埋も
れない、そしてホラー狂の“みくま”の心をぎゅっと掴むようなお仕事道具はないだろうか…と。
そうして始まった文房具アイデアコンテストプロジェクト。私たちはグランプリを目指し2人で一緒
に、心臓が『ぎゅっ。』となる?!けど誰でも楽しめるような「ホラー付箋」を考えました。
自分が見逃したくないメモ、読む人に見逃してほしくないメッセージなど、ホラー要素を取り入れ
ることで思わず目を向けてしまうようなデザインを考えました。付箋の一部が折り曲げられてい
るので、めくってみないとどんなメッセージが書かれているのか、どんなイラストが描かれている
のか分からないようになっています。
心臓がぎゅっとなるような怖いメッセージを書いて相手を驚かせても良し、ぎゅっとハグしたくな
るような温かいメッセージを書いてギャップを楽しんでも良し。使う人によって様々な用途がある
この付箋は、従来の付箋以上の役割を果たしてくれることでしょう。
サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。
審査員コメント
ザリガニワークス・武笠 様
日常のつまらない伝言もこれを使うだけでおもしろおかしくなってしまうという点が素晴らしいと思いました。ドキドキワクワクして付箋を開き、職場や家庭にクスッと笑いが起こる様子が目に浮かびます。魅力あるイラストも大きな役割を果たしていると思いました。もっと色々な種類が見たいです!
審査員コメント
ザリガニワークス・坂本 様
“開いて読むための形をしたメッセージカードとしての付箋”というのは特に珍しいアイデアではないと思います。しかし、これほど抗い難く「開きたい!」と思わせるものはなかなかないでしょう。「読め!」が「読むな!」となっていても、これは我慢できないはず。伝える側もきっと楽しいに決まってる! 行為を押し付けられなくても、やりたいからそれをしてしまう。生活を豊かにする新しい風景とは、そう始まるものですよね。
KREVA賞
嶋 辰也
「思い出ぎゅっとボックスラベル」は、家族や子供の思い出を、整理しやすく保管できる新しい文 房具アイデアです。靴の空き箱は頑丈でデザインもおしゃれですが、そのままでは飾りにくく、ま た、成長とともに増えていく写真、日記、手紙、クラフト作品などを整理するのは難しいことが課 題でした。このラベルは、靴箱に取り付けるだけで、中身をカテゴリー別に整理しやすくし、箱を 有効に活用できるようにします。靴箱がただの収納箱ではなく、成長の軌跡をぎゅっと詰め込ん だ思い出ボックスに変わります。メーカーのロゴを隠さないデザインも可能で、箱の美しさを損 なうことなく、大切な瞬間を整理整頓する手助けをします。日々の「ぎゅっ。」とした思い出を大 切に保管できるアイデアです。
サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。
審査員コメント
KREVA 様
自分も自宅で靴箱を収納箱として使っているので、すぐにでも商品化して欲しいと思いました。テーマに沿って、箱にある穴にぎゅっと差し込む仕様となっている点も素敵だなと思いました。
itabamoe賞
池田 暖
ゆびさきをぎゅっと握ると赤くなるように、針を刺した「ぎゅっ」で表面が赤くなるホチキスです。ま るでホチキスに血が通っているように見えより愛着がわくと思い考えました。 また、しっかり握ることで赤くなるので針が打てているか浅く入っていないか、視覚的に認識す ることができます。
サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。
審査員コメント
itabamoe 様
いろんなぎゅっをみましたが指先のうっ血からイメージしたぎゅっが新鮮で引き込まれました。
文房具という無機質なものに、人体の温度感というか生々しさを入れると言う感覚がなんだかセクシーで、自分の身体の一部と錯覚するような、感覚的に心地よく使えるホチキスになりそうだなと思いました。
ただ書類を止めるという使用目的に加えて、心地よい体感を産むというのはデザインの持つ力だと思うので、素敵な作品だと思い選ばせて頂きました。
プロダクトデザイナー
審査員長
安次富 隆
今年度のテーマ「ぎゅっ。」は色々な解釈ができます。握る、押す、抑える、詰める、縮めると捉えたアイデアもあれば、ザリガニワークス賞を受賞した「ホラー付箋」のように、文具を使った人の気持ちをぎゅっとするアイデアもありました。それぞれの審査員が期待するアイデアも異なり意見が分かれることも多く、例年以上に審査に時間をかけました。ですから今年度の受賞作品は、審査員が議論に議論を重ね選ばれた作品ばかりです。審査員の意見が分かれ惜しくも受賞を逃した作品にも、優れたアイデアが多かったことも今年の特徴だったと思います。それらの作品をご紹介できないことが残念ですが、受賞できなかったからといって落胆せずに、次回もぜひ挑戦していただけることを期待しています。