第28回 サンスター文具プレゼンツ

文房具アイデアコンテスト

結果発表

今回の募集テーマはこちらでした!

新しい世界をアイデアでクリアする

コロナ禍の霧が、少しずつ、晴れようとしています。
その先に見えるのは、かつての常識だけでは通用しない新たな世界。 「clear」には、透き通った、透明な、という意味もありますが、明晰で、鮮やかで、純粋な、汚れのない、 そして、雲や霧がなく晴れ渡った、という広がりのある形容詞でもあり、ものごとをスッキリと片付けたり、 ゲームや課題を飛び越えて通過する、といった、ポジティブで力強い動詞でもあります。
クリアな思考と感性で、新しい世界の課題をクリアしていく、クリアな文房具のアイデア、お待ちしています。

応募総数

3,583作品

一般部門 2,703 作品/ジュニア部門 880 作品

たくさんのご応募ありがとうございました!

審査員

審査委員長

安次富 隆

プロダクトデザイナー

審査員

ザリガニワークス

マルチクリエイティブ会社

審査員

KREVA

HIP HOPアーティスト

審査員

吉田 恵里香

脚本家

受賞作を作ってみた

表彰式

受賞作を作ってみた

表彰式

受賞作を作ってみた

表彰式

表彰式

受賞作を作ってみた

お祝いの言葉

お祝いの言葉

一般社団法人
全日本文具事務用品団体総連合 会長
宮城 邦弘 様

28回目の「文房具アイデアコンテスト」の開催、おめでとうございます。
文房具は私たちの日常を彩り、進化し続けています。
今年のテーマ「クリア」の受賞作品は、まさにクリアな視点から生まれ、文房具の新しい可能性を提示してくれました。
皆様の熱意と創造力が、文房具の未来を明るく照らし、新たな一歩を刻んでいます。
これからもクリエイティブなアイデアを追求し、文房具の魅力を広めていきましょう。受賞者の皆様、本当におめでとうございます。

日本文紙事務器卸業連盟 会長
蔀 聡志 様

「第28回文房具アイデアコンテスト」の開催、おめでとうございます。
そして入賞者の皆さま、誠におめでとうございます。
文房具は日常の一部ですが、その進化は気づきにくいもの。
受賞作品は革新的なアイデアが凝縮され、文房具の未来を切り拓く礎となります。
今年も多くの優れた作品が寄せられ、競争が激化しているとお聞きし、嬉しく思います。
これからも文房具の可能性を引き出す素晴らしいアイデアが広がりますことを期待しています。

一般部門

ジュニア
部門

審査員
特別賞

サンスター
文具賞

ココロノマド

作品説明

安心してハサミを入れることができる封筒です。
差し出す側も、受け取る側も、こころが少しクリアになります。

小高 浩平 / オダカ コウヘイ

サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。

審査員のコメント

誤って大切な手紙や書類を切らないようにするには、封筒の端だけクリアにするだけで良いというアイデアにハッとさせられました。
大袈裟ではない、ちょっとした工夫や気遣いが、身の回りの課題や問題をクリアし私たちの気分を晴れ晴れとクリアにすることを教えてくれるアイデアです。
『ココロノマド』(心の窓)は、封筒に限らず、「新しい世界をアイデアでクリアする」ためのスイッチ・ワードになるように思いました。

安次富 隆

フチで止まるカッターマット

作品説明

誰しも一度はカッターマットをはみ出して机に傷をつけてしまった事があるのではないだろうか。
これは、切る物によってカッターマットが見えない状況で起きやすいと考えた。
そこで、視覚的にマットの終わりが見えない状況でも、自然に刃が止まり、マットの終わりが明確になる構造を考えた。
従来のカッターマットは、カット面には軟質塩化ビニルを、
裏面には貫通防止として硬質塩化ビニルを組み合わせて作られていることが多い。
今回の提案では、カット面の「縁」も硬質塩化ビニルを使用することにより
従来の素材を変えることなく、「縁」で刃が止まるカッターマットにしている。

西尾 仁 / ニシオ ヒトシ
古川 礼規 / フルカワ ヒロキ

サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。

審査員のコメント

カッターマットはよく使いますが、作業に夢中でマットが外れたところでもカッターを当ててしまい、机を傷つけることが多々あります。
こちらのアイデアは見た目は地味かもしれませんが、かゆいところに手を入れてくれたような気持ちよさがありました。
文房具の進化とはまさにこのようなアイデアの積み重ねだったのではないでしょうか。

ザリガニワークス 武笠 太郎

おさかな穴あけパンチ

作品説明

普段だったら捨てるだけのものを、あえてクリアに見えるようにし、
そしてそれを可愛く、楽しいものに変えたいと思いデザインしました。

阿部 ナディアリ悠楓 / アベナディアリハルカ

サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。

審査員のコメント

本体の底面に新しい世界を、捨てられるだけだったモノに少し手を加えて新たな価値を産み出しています。
誰かに話をしたくなるような素敵なアイデアだと思いました。

KREVA

雲を描く日記(くもをえがくにっき)

作品説明

新しいまっさらな日記に何を書こうかとわくわくしていたはずなのに、書かなかった白さがプレッシャーとなって日記を続けられなかったことがあります。
もし書きたいときだけ書くスペースをつくれる日記があれば、書かなかった日の白さを気にすることなく最後まで日記を続けられるかもしれないと思いました。
そこで考えたのが「雲を描く日記」です。
この日記には3つのクリアが入っています。
1 晴れた空を意味するクリア
2 消すを意味するクリア
3  やり遂げるの意味のクリア
消せるインクで印刷された青空を消しゴムで消すことで雲を描き、そこに日記を書けば書きたい日や 書きたい量に合わせて自分の好きなペースで楽しく最後まで日記を続けられると考えました。
季節に合わせて雲の形を変えたり、書きたいことが少ない日は小さな雲、
たっぷり書きたいときは大きな雲を描くといったように書く人に合わせた使い方ができます。
日記を書かない日があっても青空が広がる風景画として楽しめるので、
書かなかった日のプレッシャーを感じることなく最後まで日記を続けられるのではないでしょうか。

真石 理有子 / マイシ リウコ
紀 則正 / キノ ノリマサ

サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。
サンプル製作協力:株式会社パイロットコーポレーション 様

審査員のコメント

見た目の爽やかさは勿論、簡単、なんとなくサマになる、アートっぽくなる……と、日記の持つハードルを多方面でクリアにしているのが素晴らしいです。(書くのがめんどうくさい、書いても満足度が低いなどで、私も日記は挫折することが多かったです)
何も書くことがない時でも、雲で大きく〇とか×とか書くだけでも楽しそう!
誰かに承認される為でなく自分の為だけに書く日記に、自分だけの為の、こういう満足感がプラスされるって素敵ですよね。

吉田 恵里香

リセット鉛筆削り

作品説明

使い古した鉛筆がこの鉛筆削りを使うと、なんと新品のような平らな形に!
使わない鉛筆を、削る前の平らな形にリセットします。
新学期に文房具もリフレッシュしたい時。人におさがりの鉛筆をあげる時
新品を買わずとも、リセット鉛筆削りが新鮮な気持ちをお届けします。

野口 柾晴 / ノグチ マサハル
大塩 伝恵 / オオシオ ツタエ
田嶋 千寛 / タジマ チヒロ

サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。

審査員のコメント

「とにかく体験してみたい!」という事です。
今の世界ではきっと必需品ではない。
しかしこれがある事を生活の前提とした時、人の暮らしが、意識が変わるかもしれない。
そうしていつか必需品になるのかも。「体験してみたい!」は、その最初の一歩を促すもの。
人の意識や生活を豊かに変えるというのは、ものつくりにおいて当たり前の前提ですが、とても面白い角度からの発想で、なんとも可能性を期待したくなってしまいました。

ザリガニワークス 坂本 嘉種

持ってて 安芯 (もっててあんしん)

作品説明

作ったきっかけ
試験勉強をしているときにふと、2つが一緒にできたらいいのにな〜と思って即作りました。
ポイント
・シャープペンシルとして使う
・芯入れとして使う
・制服のポケットに入れてもじゃまにならず、もちやすくてとても書きやすい!
もっとこうしたい
クリップをつけてノートやバインダーにはさめるようにして、バージョンアップしたい!!

恵美 陽斗 / エミ ハルト

審査員のコメント

替芯ホルダーにシャープペンシルの機能を持たせると、硬さが異なる数種類の『持ってて安芯』を気軽に持ち歩くこともできます。
ケースの外から見ただけで芯の種類や残りの本数もわかります。応募者自ら実際に機能するモデルまで作ってしまったことにも驚かされました。 『持ってて安芯』は、シャープペンシルの不便をクリアしているだけでなく、新しい使い方や楽しみ方まで提供している極めて優れたアイデアなのです。

安次富 隆

ピラミッドペン立て

作品説明

みじかくなったえんぴつ、いろえんぴつ、小さなペンはたてに入れると、とり出しにくいので、
ななめにさし入れるペン立てを考えました。すっきりかたづきます。

宮良 颯希 / ミヤナガ サツキ

サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。

審査員のコメント

透明な素材で、長さの違う鉛筆を見やすく整理する。その為に形はピラミッド型にする。
【クリア】というテーマを、きちんと理解した上で、考えぬいて作られていること、無駄がないことに感動しました。
ピラミッドの立体感、透明部分の描写の仕方も素晴らしいです。
ジュニア部門の中でも断トツにお若い受賞者さん……将来が楽しみすぎます!
また何か思いついたら是非コンテストに参加してみてくださいね!

吉田 恵里香

かわいい海の生き物文房具セット

作品説明

ぼくは毎年2回も海に行って遊ぶほど海が好きなので、
「それなら海の生き物で文房具セットを作ればいいじゃん」と思い、作ってみました。
かわいい文房具がいっぱいなので、これがあれば頑張れます。意外にかわいくできたので、
評価の方なにとぞよろしくお願いします。

田中 陽輝 / タナカ ハルキ

サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。

審査員のコメント

海が好き!という強い気持ちが存分にそして丁寧に表現されていました。
しかもそれが一つ一つの文具に機能としてしっかり盛り込まれている。
素晴らしいと思います。

KREVA

キャグリップ

作品説明

キャップとグリップが1つになった商品です。両サイドのボタンを押しながらスライドさせると、
キャップにもグリップにもなる。小学生の弟の筆箱の中でキャップが散乱しているのを見て思いつきました。

山口 理子 / ヤマグチ リコ

サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。

審査員のコメント

夢いっぱいの作品が多いジュニア部門の中にも、度々大人顔負けのスマートなアイデアがあり驚くことがあります。
こちらの作品はその最たるもの。着脱でなくスライドのみで二つの機能を叶えているのがとても綺麗です。
鉛筆キャップの役割を考えた時に、必ずしも蓋が必要ではないとする解釈にもクールさを感じます。
非常に洗練されたアイデアです。

ザリガニワークス 坂本 嘉種

提灯折り折り筆箱

作品説明

祭りが大好きなので提灯をイメージして作りました。この筆箱は折りたたみ式で半分下にさげると
えんぴつなどがとれます。中は10本くらい入れることができます。
ついでに、持ち手がついていますので持ち運びに便利です。

関根 拓海 / セキネ タクミ

サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。

審査員のコメント

お祭りと勉強机という真逆なものを合わせてしまったのがすごいと思いました。
それによって見たことのない面白さが生まれていると思います。
提灯の伸び縮みによって筆箱としても機能的になっていますし、持ち運びの取手をつけて教室を移動すれば人気者間違いなし!
素晴らしいアイデアだと思いました。

ザリガニワークス 武笠 太郎

新!消しゴム

作品説明

デジタル時代において、消しゴムは紙上のミスを訂正するための重要性を徐々に失ってきます。そこで、日常生活の些細なトラブルを解消するための新しい消しゴムを提案いたします。
この消しゴムは、ゲームの駒やコードホルダー、ペンホルダーなど、様々な用途に適応できる便利な文房具となります。柔軟性を再発見したこの新しい消しゴムを使うことで、日常のタスクを少し楽にすることができます。

リム ブーンハウ

サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。

審査員のコメント

消しゴムは、鉛筆やシャープペンシルの書き損じをクリアする道具です。
書き損じがなければ出番はありません。ですから、いざ消しゴムが必要なとき、消しゴムどこだっけ?と探すこともあります。
『新!消しゴム』は、身の回りの道具を消しゴムにすることでこの問題をクリアしています。
しかもその道具たちは消しゴムのように形の変化も楽しめるんです。
色々な道具のデザインさえ変える優れたアイデアだと思いました。

安次富 隆

左手専用の漢字ドリル・ひらがなドリル

作品説明

私の息子は左ききです。そして字がとても汚いです。特に漢字は書き順が覚えられずとても書きづらそうでした。
ためしに左手で漢字を書いたところ、正しい書き順では左手で書きづらい事が分かりました。
正しい書き順だとスムーズに手を動かしづらいのです。左ききの子や、右手が不自由で左手しか使えない子用に、
左手専用の書き順ドリルが欲しいです。

くろさき ほしみ / クロサキ ホシミ

サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。

審査員のコメント

物事の順序には理由があり、書き順の場合は【読みやすい字が早く書けるようになるから】です。
でもそれはあくまで【右利き】の人の場合。左利きの人にとっては、書きにくく読みにくい書き方なのに、大多数のルールが強要されている。
そのことにハッとして思考がクリアになりました。着眼点が素敵!
勉強なんて気が乗らないものをやらされるんだから、少しでも楽しくあってほしい。
しなくていい苦労が減って欲しいと私も切に思います。

吉田 恵里香

スマホフーインセン

作品説明

スマホの画面ピッタリサイズの全面粘着付箋シール。 タスクを付箋に書き、スマホの画面に貼ることで、 それらがキレイさっぱり片付くまで、スマホの画面を封印します。 やることが終わるまで付箋を剥がさないルールを習慣化し、 スマホと上手に付き合っていくためのツールです。

野口 柾晴 / ノグチ マサハル
大塩 伝恵 / オオシオ ツタエ
田嶋 千寛 / タジマ チヒロ

サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。

審査員のコメント

忘れてはいけないことを付箋に書いてスマホの画面に貼るということを日常でもやっていたので、これが売ってたら絶対に買うと思います。
画面を封印してタスクと脳をクリアにする。面白いと思いました。

KREVA

正解したくなるよね ピンポンペン

作品説明

丸つけを面倒だと思っているそこのあなた!
このペンを使うと丸つけが楽しくなる!

亀谷 奏乃 / カメヤ ソノ
佐々木 柚凪 / ササキ ユズナ
伴 すなほ / バン スナホ
林 瑠衣 / ハヤシ ルイ
北條 貴亜徠 / ホウジョウ キアラ
成田 陽菜 / ナリタ ハルナ

サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。

審査員のコメント

「面倒な丸つけを楽しく」というコンセプトがとてもポジティブで良いと思いました。
パッと見はありふれたもののようですが、「正解したくなるよね」の一言に強く共感を促す力があり、しっかり練られたアイデアである事が感じられます。
正解も不正解も楽しんでチェックできそうで、誰もがやってみたくなるアイデアですよね。
プレゼンシートのイラストや構成もわかりやすく、楽しさがストレートに伝わってきました。

ザリガニワークス

Case-ticker (ケース・テッカー)

作品説明

子供の頃、工作や自由研究でどんぐりや採集した虫を貼る時、
何かに当たって剥がれた。壊れてしまったなんて経験はありませんか?
心を込めて作った・見つけた大切なものを守ってくれる。
そんな「モヤモヤした悩みを晴らしてくれる」シールの提案です。
シールの素材も自然に優しいポリ乳酸性プラスチックを用いています。

太田 真実 / オオタ マミ

サンスター文具がイラストを元に作成した試作品です。

審査員のコメント

自分が小学生の頃にこれがあったら、道で拾ったあれやこれやの「宝」がとっておけたに違いない、と興奮しました。
また、実物をこのような状態で掲示することで観察をする目も鍛えられ、教材やレポートの作成においても解像度を上げるアイテムだと思いました。
何より見た瞬間、使ってみたい!と思えるのがいいですよね。

ザリガニワークス 武笠 太郎


写真に貼ったり、日記に貼ったり、思い出と一緒に保管できる点と、シンプルで、簡単に子供でも作ることができるという発想が社内で選出の決め手となりました。
子供が拾ってきたセミの抜け殻やどんぐりの保管に悩んだことがある社員もいて、便利に解決できる素晴らしいアイデアだと思いました。

サンスター文具

総評

今回は、募集期間を大きく変更したこともあり、応募作品数自体は少し減りましたが、多義的なテーマに対する様々なアプローチが入り乱れる感じで、全ての作品に目を通し、また、選ばれたアイデアのモックアップを製作する過程は、気の抜けない、エキサイティングな期間でしたが、今回もまた、これまでとは違った文房具の可能性を発見できてとても充実した数ヶ月となりました。受賞された方も、そうで無かった方も、みなさん、本当にありがとうございました。

高畑 正幸(文具王/アイデアコンテストアドバイザー)